13. 激走ダート80kmの日。

 

 

 

 一昨日からいる草の川原のテント地がいい雰囲気なので、午前中は何もせずにのんびりと過ごした。と言えば聞こえは良いが、二人で盛大に鼻をかんでいただけとも言える。風邪が完全に治っていない。ふーすけも少々調子が悪そうだ。 

 

 午後になって体調が良くなってきたので、バイクで走ることにした。空は快晴。鼻をかんで終わりの一日ではもったいない。

 


 

 

 

 フレベツ林道は、見晴らしのいい道だ。本州などの林道とは違い、北海道の林道は、雰囲気が明るい。森の中だが、空が広いのだ。 

 

 途中、ものすごい直線のところがあり、時速100kmを超えるスピードでぶっ飛ばす。先ほど二台のバイクとすれ違ったが、後は全然車もバイクも走っていない。

 

 林道の名前が白水川林道に変わる。ツーリングマップでは飽別白水林道となっている。まあ林道の名前などどうでもいいことだ。

 素晴らしいパノラマ。阿寒富士、フレベツ岳、昨日登ってきた雌阿寒岳の姿が望める。

 

 

 

 

 進んでいくと、道が崩れて完全に分断されている箇所にぶつかってしまった。少し引き返して、別の道を行く。

 

 地図には載っていない、この名前も分からない林道が、実に素晴らしかった。走る車もさぞかし少ないのだろう。荒廃した雰囲気。ちょっとした探検気分である。 

 

 

 

 

 次々と現れる障害。道は困難なほど、面白い。こういう場所を走れるからこそ、オフロードバイクで旅をする意味があるのだ。

 

 また違う名前の林道に出た。川沿いの道だ。名前が変わっても、ずっとダート(未舗装路)であることには変わりがない。このあたりの林道は、うまく走りつなげれば軽く百キロを越えるのではないか。

 日本で一番長いダートは四国の剣山スーパー林道の88kmだ(現在は60kmらしい)と言われていた時代があったが、北海道には知られていないだけで、もっと長いダートが存在するかもしれない。

 

 

 

 

 やがて舗装路に出た。上庶路という閑散とした集落。横手に見てきた綺麗な川に、ダムができる予定を知らせる看板が立っている。いったいどれだけの自然を破壊すれば、この国は真に豊かになれるのだろう。永遠になれるはずがない。

 

 

 

 地図で確かめると、ずいぶん遠くまで来ていることが分かった。舗装路で帰るほうが早そうなので、国道までのショートカットのために、また別の林道を走る。 

 

 阿寒湖畔の町に着いたときは、すでに夕方になっていて、昼に出てきたときの服装では寒かった。

 

 

 今日の林道走行の途中のことだが、カメラの撮り終えたフィルムが、巻き戻すときに切れてしまった。感光しないように、デイパックの中で取り出したフィルムがそのままだったので、写真屋に行った。

 新品のフィルムを買って、そのパトローネ(ケース)に、切れたフィルムを入れてくれるように頼む。

 

 買ったフィルムを取り出すときの、店のオヤジの手品を見せるような動作がおかしかった。

 


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