03. 北海道までの旅 その三。

 

 

 

 空き地で目を覚ます。日本にはまだまだたくさんテントを張れる場所がある。とは言っても、僕が日本一周の旅をした十年前に比べれば、テントを張れる場所が減っているのも事実である。まあ、あの頃は日本は今よりもはるかに平和で、僕もほとんどところかまわずテントを張っていたようなものではあるが。

 

 昨日たくさん走れたので、今日は朝から少しのんびりすることにした。テント地から見えていた素敵な小山に近づいていく。

 雰囲気の良い小さな漁港と、古びた神社。どちらも僕の好きな場所だ。ふーすけは打ち上げられたフグを見て、感慨にふけっていた。

 

 

 

 

 新潟県から出て、山形県に入る。ひたすらに海沿いの道を走り続けたが、山岳道路の鳥海ブルーラインを走ってみることにした。寄り道など一切せずに北海道へまっしぐら、と思っていたが、走らないのはもったいない。

 鳥海山の眺めも、見下ろす海側の眺めも素晴らしい。僕は山登りも好きなので、雪渓を輝かせている素敵な山の姿を見ると、つい登っていきたくなってしまう。時間が無限にあれば、と思う。日本をくまなく旅しようとしたら、どれだけ時間が掛かるだろう。日本は決して小さな国ではない。

 

 

 

 

 

 

 

 鳥海ブルーラインの途中で、もう秋田県に入っていた。海に向かって伸びていくワインディングロードを駆け下り、再び海沿いへ。

 

 男鹿半島を走ってみる。もうすっかり最短時間で北海道まで陸走していくなんて目標は忘れてしまっている。ちなみのこの男鹿半島は、おがはんとうではなく、「んがはんとう」と発音するのが正しいらしい。昔、飲み屋の美人のママが言っていた。



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