旅の道具 鍋(コッヘル)


 

 EVERNEW チタンクッカー Fコート4 (1.9L)
 EVERNEW チタンクッカー Fコート3 (1.3L)

 
EVERNEW ステンレスクッカー (1.0L)

   

 キャンプや旅だからといって、なにもキャンプ用のコッヘルを買って持っていく必要はない。
やたらとに高額のわりには、大した品質ではないものが多い。

    

 かく言う僕がなぜキャンプ用のコッヘルを持っているかと言えば、大学時代、初めてキャンプ道具一式を

そろえたついでに買ってしまったからだ。上の写真のステンレスのものと、それに重ねて収納できる一回り小さいもの。

小さいほうの容量は0.6リットルくらいだろう。(小さすぎて、もうずっと使っていない)

 

 日本一周のときも、その二つの小さなコッヘルと、キャンプ用の小さなフライパンで調理をしていた。
が、そのサイズでまともな料理ができるわけなく、米を炊き、肉や野菜を炒める程度の食事だった。

 

 そうして日本一周も八ヵ月を過ぎたころ。沖縄の西表島で一週間だけ土建のアルバイトをしたときのことだ。
寝場所として貸してくれた民家の庭に、ステンレスの鍋が捨ててあった。直径が23cm(内径19.5cm)、
深さ7cm。ふたは深さ4cm弱のフライパンとしても使える。ずしりとした、頑丈なものだった。
中で蜘蛛が巣を作っていたが、取り払い、きれいに洗って、持ち帰った。一箇所に滞在することの多い
沖縄にいる間だけ使って、また捨てていこうと思っていた。

 

 ところが、この鍋がとても気に入ってしまった。大きな鍋はなんだって料理ができて、おかずの
レパートリーが増えた。中の具材を火に掛けながらかき混ぜるときも、それまでのようにこぼれたりしない。
分厚い鍋底は焦げつきにくいし、焦げても砂でこすれば、あっと言う間にピカピカになった。


 結局、この鍋は長い間、僕の旅の道具になっていた。沖縄で焚火に掛けたりして、取っ手が片方
焼け落ちてしまったが、その分コンパクトになったと考えれば良かった。ふーすけと旅をしたときも、
二人に充分な容量があった。KITCHEN JEWEL INTERNATIONAL と刻印が打ってある。


 しかし重量が2kg近い鍋は、やはり負担になった。そこで新しく買ったのが下の写真のものである。




 ホームセンターなどで売っている、家庭用の鍋だ。最近ではこのようにハンドルが共通で、
サイズの違う一セットが重ねられる鍋が当たり前に売っているが、以前はあまり良いものがなかった。
容量は0.9、1.4、2.3、3.6リットル。

 

 この鍋の良さは、鍋底が厚く、側面が薄いところだ。よってさほど重くない。
もっとも、このセットを丸ごと持って行くことはない。

右の写真のように、2番目と3番目のものだけで、それにエバニューの1リットルステンレス鍋を重ねたパターンか、

2番目とチタンコッヘル二つ、1リットルステンレスコッヘルの組み合わせパターンが多い。

 

 ヨーロッパの旅では、バックパッカーだったため、さすがにキャンプ用の鍋にした。
そのときに新調したのが、一番上の写真のチタン製のものだ。二つセットで8000円ほどもした、高級鍋だ。
チタンは軽量で強靭で無味無臭の素材のため、今は登山界では主流となっている。

 

 しかし気のせいかもしれないが、チタンで調理した料理はあまりおいしくない。

あるいはペラペラの鍋で調理をすることが難しいからだろうか。このあたりは各人で研究してほしい。

 

 明らかな不満は、フッ素コートが貧弱で、すぐに焦げついたこと。旅やキャンプで気を使った料理や取り扱いを
ずっと続けられる人なら良いかもしれないが、鍋を重ねて収納しただけで傷がつくようなコートをして値段を
上げることはしてほしくない。

 僕は早々の段階で、わざとナイロンタワシでコートをはがし落とした。
それ以降は、たとえ焦げついてもタワシや川の砂でこすって、簡単に焦げつきを落とせるようになった。
自分で荷物を担いで旅をする人でなければ、チタン製の鍋など絶対に必要ない。

 

      



   コッヘルの選び方 総論。

   1.キャンプ用の鍋を買う必要は全くない。旅が主の人なら、ホームセンターで鍋を買うべし。
   2.山登りが主の人は、キャンプ用のチタン製を買っても損ということはない。
     薄いから底がべコベコになったりするが、気にしなければ、鍋などおそらく一生使えるものだからだ。
   3.「一人用」としてキャンプメーカーが出している鍋セットでは、レトルト食品を温める程度くらいしかできない。
     二人用でも不十分。長旅ならば、大人数用が必要。だがそれならばホームセンターで普通の鍋を買ったほうがよい。