旅の道具 水筒・浄水器

紹介アイテム  CAPTAIN STAG WATER BOTTLE 2000
        ハイドレーション  ブレーダー 2リットル(Jack Wolf Skin付属品)
        カスケードデザイン プラティパス2
        エバニュー ウォーターキャリー 900ml
        MSR ミニワークス EX
        MSR クラウドライナーハイドレーションバッグ 2.5リットル 

                                   ※下に紹介するアイテムほど新しいものです。       


 CAPTAIN STAG WATER BOTTLE 2000(2リットル)


 言うまでもなく、水筒は旅に必要不可欠である。特にキャンプ場泊ではなく、野宿の場合は水を携行しなければならない。
PETボトルを流用すればわざわざ水専用のポリ容器等を買う必要はないが、よりコンパクトに荷物を収めたい場合は、
安いものなので買って損はない。容積は同じでも、形状によってかさばり具合は違うものだ。(どのように収納するかで違う)


 僕がこの形状のボトルを使用しているのは、バイク用ザックのポケットにちょうど収まるサイズだからだ。
(現在使用しているバイク用ザックにはポリタンクが入るポケットがないので不便を感じている)
使い始めはポリ容器独特の臭いが気になるが、使用しているうちに無臭になる。
早く臭いを消したい場合は、熱湯を入れて(耐熱温度に注意)しばらく放置することを繰り返せばよい。


 オートバイでの二人旅の場合、あらゆる用途に使用しても、4リットルあれば一泊の野宿に足りる。
飲料用、炊事用、歯磨き用、食器洗浄用などである。もちろんある程度は節水の気持ちが必要だ。

 一人旅で2リットルだと若干少ない(料理をきちんとする場合)。

特にトレッキングをする場合などは、一人でも4リットルが必要になる。
ただし、山の湧水などを積極的に摂取すれば、携行量は少なくてすむ。


 余談だが、山の湧き水を心理的に飲めないという人間がいて驚いた経験がある。

そういう彼は水道水は平気で飲んでいたのだか、矛盾を感じてしまった。水道管の中は不潔なものだ。

土や岩の間から出てくる山の湧水や沢水のほうが遙かに綺麗なのものである。


 ただし、北海道ではエキノコックス症にかかる危険性があるので、湧き出し口からの直接摂取以外はしないこと。
 ヨーロッパやニュージーランドの山の水は安心して飲んでいいが、お腹の弱い人や心配性の人には勧めない。 


        


 

 ハイドレーション  ブレーダー 2リットル (左)   
 カスケードデザイン プラティパス2 (2.5リットル) (中)
 エバニュー ウォーターキャリー 900ml (右)

 

 近年アウトドア界で普及してきたバッグ型の水筒。ヨーロッパなどの徒歩旅に使用。
長所は、飲んだ分だけ体積が減ることと軽量なこと。短所は、残量が直感的に分かりにくいこと。

 

 左のものはジャックウルフスキンのデイパックに付属してきたもので、ハイドレーションシステムになっている。
ホースとバイトバルブ*1がついていて、ザックに収納したまま水分の補給が可能。
つまり、水分補給のたびにいちいちザックを下ろしたり、また背負ったりしなくてすむので楽である。
 
 2008年の二度目のヨーロッパの旅では、噛んだだけで(何かによって押されただけで)水が出てしまうオリジナルの
バイトバルブをやめて、バイトバルブとホースをキャメルバッグ製のものに付け替えていったが、止水栓(黄色の部分)が簡単に
すっぽ抜ける構造で、何度か水をこぼしたり、落とした栓を探し回ったりした。有名メーカーだがこれでは使い物にならない。

 

 中央のものは、単なる水筒である。中身を凍らせたりボイルすることも可能。耐久性もあるが、さすがに三ヶ月連続で
使用すると買い換えてもいいと思えてくる。実際、四ヵ月半で首周りの溶着部から水が洩れるようになった。

 

 右のものは現地で買うアルコール、つまりワインとかウィスキーを移し変えて運ぶために買った。ガラスのボトルのままでは
重いからだ。写真では一個しか写っていないが、二個持ち歩いた。外国製よりも値段が安くていい。

 

 アドバイスとして言えば、水分はこまめに補給したほうがトータルの摂取が少なくてすむ。そのことはヨーロッパの山岳地帯を
トレッキングした際に実感した。水のことが頭に浮かんだら、一口飲むといった感じにすると良い。
 ついでに言及しておけば、口を閉じて歩けばあまり喉は渇かない。きつい登りのときでも、鼻で呼吸するようにしたほうが、
疲れも少なくなる。ただしある程度の訓練が必要。

 

     *1 歯で噛むことによって止水栓が開き、水を飲むことができる装置。

 

 


 

 MSR ミニワークスEX

 

 0.2ミクロンまでの浄化能力を持った浄水器。ろ過能力1リットル/分。最大2000リットル(水質状態による)。
456グラム。19x7センチ(本体のみのサイズ)
。セラミックフィルター。本体部品耐用年数10年以下。

 

 以前は0.3ミクロンまでの能力で、フィールドにおいて99.99%の原生動物や菌類を除去し、農薬や化学物質も除去できると
うたっていたが、いつのまにか0.2ミクロンに向上した反面、化学物質に汚染された水は処理するなとの注意書きに変わった。
海水や化学物質、放射性物質に汚染された水、ウィルス、0.2ミクロンよりも小さな粒子はろ過できないと説明書に

書いてあるが、これは使用者からのクレームをより慎重に回避した結果ではないだろうか?

 

 僕は基本的に国内でもニュージーランドでもヨーロッパでも、野外の水を綺麗だと自己判断すればそのまま飲んでいたが、
北海道のみはエキノコックス*2のために、湧き出してくる水以外の自然水は飲むことができない。これは2010年の旅で大雪山を
縦走するために買ったものだ。2013年アイスランドの旅にも使用。

 

 ろ過能力が1リットル/分ということだが、自分の持っている水筒に5リットルの浄化水を作ろうとした場合、

5分で済むことはなかった。
水が綺麗なときでも最低その二倍は時間が掛かったし、見た目には分からない微小に汚れた水くらいでも途端に処理能力は落ち、
ひどければ2リットルを得るのに30分近く掛かってしまうこともある。

よほど綺麗な水からでないと、処理作業が嫌になってしまう。


 使用後のメンテナンスも面倒なので、気軽に使う気にはならないし、100%安全になるわけでもないので、

通常ならば使いたくない。だが持っていれば安心度は大きい。

 

  *2 寄生虫。エキノコックス症はキタキツネや犬猫の糞に混じったエキノコックスの卵を、

    水や食物から人が経口感染することによって起こる。
    肝臓に寄生して増殖し、致死的な肝機能障害を引き起こす。 

        

 


 

 MSR クラウドライナーハイドレーショクバッグ 2.5リットル

 

 4000円ほどもする高価な水筒だ。性能は上記の水筒よりも確かによくて、バイトバルブのトラブルもないが、
無味無臭のシリコンバイトバルブだとしている割には、くわえたときに苦いような、ものすごく不味い味がする。
正規販売店のモチヅキにこの件を尋ねると、水筒本体についている味だと言う。


 数日間使い続ければ気にならなくなるが、しばらくおいてから使うと、やはり同様の味がする。
最初の二、三日はお茶かジュースを入れれば気にならずに飲むことができる。

 

 ホースが長すぎたのでカットしたが、バルブに深くまで差し込むことができなかった。

抜ける気配はないので、そのまま使用している。


 上記の浄水器と連結して、水をこぼすことなく浄化水を溜められるが、多量に入れた状態で持ち上げるとねじ部分が

変形して外れるので、落として水がこぼれて悔しい思いをする。

   

 


 

    水筒の選び方 総論

 

   1.通常の旅では、PETボトルの流用で充分。
   2.登山やトレッキングの場合は、ハイドレーションシステムのついた折畳水筒が効果的。